シンドリアは夢のような国だ。一国の皇子と王女が恋に落ちるという夢も見せてくれる。想いを遂げる夢を叶えてくれる。
「俺、白龍に出会えて良かった」
「俺も、です」
幾度となく指先を絡めて、口付けをかわしてー体を交わらせた。俺は幸せだった。世の中にこんな幸せがあるなんて信じられない。本当に夢のように消えてしまわないか不安になるほど。
「国に戻ったら、あなたに結婚を申し込みます。必ず迎えに来ます」
「うん、待ってる」
その時を想像して頬が緩んだ。
きっとバルバッドと煌帝国は仲の良い友好国になれる。その礎に自分達がなれるというなら、これほど喜ばしいことはない。俺が笑えば白龍も笑った。理想を語り合うことが楽しかった。白龍が傍にいることが嬉しかった。
俺達はまだ若くて、明るい未来が来ると何の疑いもなく信じていた。
市場でのことだった。シンドリアに煌帝国からの貿易船が今朝ついたと聞いたから俺はモルジアナを誘って、市場を見て回っていた。その時に聞こえてきた話し声。
「――白龍皇子がムスタシムの王女と婚約なさるそうよ」
がさりと、買った果物が入った紙袋が地面に落ちた。手が、震えていた。
「……アリババさん?」
「あ、ああ……。ごめん」
袋を拾おうとしゃがんで手を伸ばしたけれど、その手を遮ってモルジアナが袋を拾った。指先が震えているのがきっとモルジアナには見えているのだろう。
――ダメだ。こんな……。俺と白龍の関係は公のことじゃないんだから……。
不自然に思われるのは避けたいのに、体が思うように動かない。
「大丈夫……ですか? 顔が真っ青ですよ」
「ははっ。そうかな」
口角を上げつつ笑ったつもりだったけれど、俺を見ているモルジアナの目を見れば上手く笑えてないことはすぐにわかった。
「無理をなさらないで下さい。……今日はもう王宮に戻りましょう」
空いた手でモルジアナは震えていた俺の手を握った。その温かさにどこか安堵していた。歩いている最中、周りの話し声に耳を塞ぎたくて仕方がなかった。市場の浮かれている雰囲気とは別に、俺の心は突然立ち込めてきた暗雲に覆われようとしていた。
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というプロローグからの、龍アリ前提のモルアリ。龍アリモルです。モルさん(♂)がレームの貴族(アレキウス家の養子)とかで留学中ににょたババに横恋慕。
白龍は白龍で国の皇帝が他国との王女と白龍の婚約結んだとかで、それを聞いたアリババがショックを受けてモルさんが慰めて、あああああ泥沼っ!!って話を読みたいです★
ちょっと腹黒くて積極的なモルさん誰か下さい。これまた読む人選びそうな話だなーと思いつつ、ちょろちょろっと妄想しては楽しんでます。三角関係の話が大好きです★